接道義務とは?土地選びで見落としがちな重要ポイントを解説

みなさん、こんにちは!
玄housing広報担当の玄馬(げんば)です。

いつも「玄馬くん家づくり豆知識」をご覧いただきありがとうございます。

注文住宅を建てる際、多くの方が土地選びにおいて立地や周辺環境に重点を置きがちです。
しかし、家を建てるためにはもうひとつ重要は要素があります。
それが「接道義務」です。
このルールを知らないまま土地を購入してしまうと、せっかく手に入れた土地に家が建てられない可能性もあります。

本記事では、土地選びで見落としがちな「接道義務」について、基本的なポイントを解説します。
「これから土地を購入して家を建てようと考えている方」、「今ある家を取り壊して新築住宅を検討されている方」にとって、役に立つ知識です。

注文住宅を建てるための土地を探す際、立地条件や学校・病院・交通アクセスなどの周辺情報に目を向けられるかと思います。

一方で、戸建て住宅が建つ土地や売買土地に面する道路(接道)の情報を気にされる方は意外と少ないのではないでしょうか?

「必要なのは土地と住まいだから、道路は特に考えていない」

と、お考えの方もいらっしゃると思いますが、建物を建てる際は建築基準法で「接道義務」という”敷地と道路が適切に接していない土地では家を建てることができない”という決まりがあります。

◆ 接道義務とは

「接道義務」とは、建築基準法第43条で定められている、建築物の敷地が建築基準法上の道路に「適切に」接していなければならないという義務です。

つまり、道路と適切につながっていない土地では、家を新築してはいけないということです。

この義務は、救急・消防活動などに支障をきたさないように定められており、災害時の避難路や緊急車両の通行を確保するために必ず守らなければなりません。

この、「道路と適切に接している」ことがポイントになりますが、どんな道でも接し方でもいいわけではありません。

接道義務の条件について

  • 建築物の敷地は原則として幅員4m以上(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域では6m以上)
  • 道路と接している土地の間口が2m以上接している

接道義務は「都市計画区域」(市街化区域・市街化調整区域)または「準都市計画区域内」の建築物の築造にかかる規定です。
この区域は無秩序に街が形成されないように色々なルールが定められ保全されている地域です。
よって、都市計画が決定されていない区域、つまり都市計画区域外での接道義務は生じません。

◆ 接している道路が4m未満の場合は?

2項道路

接道義務では原則として道路幅員が4m未満では家を建てることができません。

ですが、例外として法律が施行される前に家が立ち並んでいて、特定行政区(その地域の建築についての決まりごとを審査・検証する機関)が指定した道路については4m未満でも道路として扱い、新築することができます。

この特例が建築基準法第42条第2項に規定されていることから、「2項道路」「みなし道路」と呼ばれています。

2項道路における敷地のセットバックについて

「セットバック」とは、土地の境界線から一定の間隔を確保して建物を建てることで、建築基準法第42条第2項では、幅員4メートル未満の道路では、「その中心線からの水平2メートルの線をその道路の境界線とみなす」と規定されています。

したがって、法42条第2項道路に接地する住宅の建て替えなどを行う場合、法42条2項道路の中心線から2メートルの範囲までセットバックすること、つまり法42条2項道路に接地する敷地を後退させることが求められています。

そのため、法42条2項道路に接地する土地では、自分の敷地でありながら建物はもちろん、柵(塀)、花壇などを設置することができないということになります。

法42条2項道路におけるセットバック

道路を挟む向かい側に川や崖がある場合は?

向かい側が宅地でなく、川や崖、線路などに接している場合には、法42条第2項道路の中心線からではなく、川や崖などの境界線から4メートルの位置までセットバックすることが求められます。

例えば、幅員3メートルの道路に面している場合、土地の境界線から1メートルのセットバックが必要になります。
住宅の建築のために、川や崖に接する法42条2項道路に接する土地を購入する場合、川や崖をセットバックするわけにはいきませんので、敷地が大幅に狭くなってしまう可能性があるため、注意が必要です。

道路を挟む向かい側に川や崖がある場合

◆ なぜ、接道義務というルールができたのか?

接道義務を定めている目的は、緊急車両の通行と災害時の避難路を確保するためです。

「道路幅員4m以上」、「間口2m以上」というルールは、災害や出動の要請時、消防車や救急車が通行できて、確実に人命救助を行うために定められました。

戦後日本の道路は、今と比較にならないくらい道幅が狭く、建築基準法の接道義務が施行される前にあった道路では、車社会の現代の道路としては支障を来してしまう箇所もあります。

すでに家が建っている土地は仕方がないので、これから新築を建てる土地については、道路と適切に接している土地だけ建築できるルールが定められたのです。

また地震が頻発する日本では、地震に強いまちづくりが必要です。
特に住宅が密集する都市部では、避難経路の確保も非常に重要になります。


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