高低差のある土地はアリか?慎重に選ぶべき理由と判断基準

みなさん、こんにちは!
玄housing広報担当の玄馬(げんば)です。
いつも「玄馬くん家づくり豆知識」をご覧いただきありがとうございます。
土地探しをしていると「周囲よりも安いけれど高低差のある土地」を見つけることがあります。

価格が手頃で広さも十分!眺めも良さそうだし、日当たりも確保できそう!
そう思って、お得に感じる方も多いでしょう。
しかし、実はそこには大きな落とし穴が潜んでいるかもしれません。
高低差のある土地は、追加の工事費用がかかるケースが多く、結果的に「想定上の出費」につながることも・・・。
また、自治体の規制や将来の売却のしにくさなど、見落としがちなポイントもあります。
「安さにつられて買ったら、後で大変なことに・・・!」と後悔しないためにメリット・デメリットを解説します。
- 本当に買うべき土地なのか?
- どんな点に注意すべきなのか?
この記事を読んでいただくと、高低差のある土地の購入で失敗しないためのポイントが分かります。

- 1. ◆ 高低差のある土地のメリット
- 1.1. ①眺望や採光に優れている
- 1.2. ②坪単価が安く、購入価格を抑えやすい
- 1.3. ③立地によっては水害のリスクが低い
- 2. ◆ 高低差のある土地のデメリット
- 2.1. ①造成工事が必要で、コストが掛かる
- 2.1.1. 主な造成工事の種類
- 2.2. ②土留め工事・擁壁工事が必要になる場合がある
- 2.2.1. 擁壁工事の費用例(目安)
- 2.2.2. 高低差があることによって発生する主な工事内容
- 2.2.2.1. 1.擁壁工事費
- 2.2.2.2. 2.造成工事
- 2.2.2.3. 3.地盤改良費
- 2.2.2.4. 4.基礎工事の追加費用
- 2.2.2.5. 5.排水・雨水処理工事
- 2.2.2.6. 6.外構・階段・スロープ
- 2.2.2.7. 7.運搬費・重機費
- 2.3. ③建築制限があることも!条例に注意
- 2.4. ④将来的に売却しづらい
- 3. ◆ 高低差のある土地は「アリ」なのか?判断ポイント
- 4. ◆ まとめ | 高低差のある土地は慎重に選びましょう
- 4.1. 高低差のある土地のメリット
- 4.2. 高低差のある土地のデメリット
- 4.3. 💡結論:総額費用をしっかり確認し、慎重に判断を
◆ 高低差のある土地のメリット
高低差のある土地には、次のような3つのメリットがあります。
①眺望や採光に優れている
- 高い位置にある土地は、周囲の建物に遮られにくく、眺望が良い
- 日当たりも確保しやすく、風通しも良い
- プライバシーが守られやすく、開放感のある住まいが実現できる
②坪単価が安く、購入価格を抑えやすい
- 一般的に、平坦な土地よりも坪単価が安く設定されていることが多い
- 住宅地の中で「高低差がある」という理由で敬遠されるため、売れ残りや値下げの対象となることも
- 予算内で広い土地を確保できる可能性がある
③立地によっては水害のリスクが低い
- 高い位置にあるため、大雨や台風の際に浸水しにくい
- 河川の氾濫や水害のリスクのある地域では、大きなメリットになる
「価格が安い」・「日当たりが良い」・「水害に強い」という点で、魅力を感じる人も多いでしょう。
しかし・・・高低差のある土地には、注意すべきポイントが多くあります。
◆ 高低差のある土地のデメリット
次に、高低差のある土地のデメリットを解説します。
①造成工事が必要で、コストが掛かる
住宅は基本的に平坦な土地に建築するため、高低差のある土地では地盤を整える造成工事が必須になります。
主な造成工事の種類
工事の種類 | 内 容 |
---|---|
切土(きりど) | 高い部分を削って平らにする工事 |
盛土(もりど) | 低い部分に土を盛り、平らにする工事 |
埋め立て | くぼみや段差を埋めて、平地にする工事 |
この工事には、数百万円単位の費用がかかることもあり、「安い土地を買ったつもりが、結局トータルコストが高くなった・・・」というケースも少なくありません。

②土留め工事・擁壁工事が必要になる場合がある
高低差のある土地では、土砂崩れを防ぐための工事が必要になる場合があります。
特に、
- 隣地との高低差が1.5m以上ある場合
- 道路と土地の高低差が大きい場合
には、コンクリートや石積みで土を支える「土留め工事・擁壁工事」が必要になります。
擁壁工事の費用例(目安)
一般住宅の場合、擁壁工事にかかる費用は10万円~数100万円です。また土地の状態、工事の種類などによっても変わります。
擁壁の種類 | 高さ(m) | 施工単価(円/㎡) | 総額目安(円) | 特徴・備考 |
---|---|---|---|---|
コンクリートブロック擁壁 | 1.0~2.0 | 15,000~30,000 | 50万~150万円 | 安価で施工しやすいが、強度に限界がある。高さ1.2m以上は控え壁が必要。 |
鉄筋コンクリート(RC)擁壁 | 1.0~3.0 | 50,000~100,000 | 100万~500万 | 高強度で耐久性が高いが、費用が高め。 |
L形擁壁(プレキャスト) | 1.0~3.0 | 40,000~80,000 | 100万~400万 | 工場製造のため品質が安定。施工が比較的簡単。 |
石積み擁壁 | 1.0~2.5 | 30,000~70,000 | 80万~300万 | 自然な風合いで景観になじむが、施工手間がかかる。 |
木製擁壁(枕木など) | 1.0~1.5 | 20,000~40,000 | 50万~150万 | 景観に優れるが耐久性が低い。長期的なメンテナンスが必要。 |
法面緑化(簡易擁壁) | 1.0~2.0 | 10,000~25,000 | 30万~120万 | 土砂崩れ防止用。コストは低いが耐久性は劣る。 |
擁壁が古い場合は、補修や建て替えが必要になることもあり、さらにコストが掛かる可能性があります。






高低差があることによって発生する主な工事内容
1.擁壁工事費
土地の高低差が大きい場合、崩落を防ぐために擁壁を設置する必要がある。
- 新規に擁壁を設置する場合:コンクリートやブロック積みなどの方法があり、費用は高さや材料によって変動する
- 既存の擁壁の補強・改修:古い擁壁がある場合、安全基準を満たしているか確認後、補強工事が必要になる場合がある
2.造成工事
建築予定地を平らにするための工事(切土・盛土・埋め立て・転圧など)
3.地盤改良費
土地の高低差によっては地盤が弱いこともあり、建物を安全に建てるために地盤改良が必要になる場合がある。
4.基礎工事の追加費用
土地に高低差があると、基礎の設計が通常より複雑になる。
5.排水・雨水処理工事
高低差があると、雨水や排水の流れが変わるため、適切な排水計画が必要。
- 排水ポンプの設置(必要な場合)
- 排水溝や側溝の施工
- 雨水浸透桝(マス)の設置
6.外構・階段・スロープ
家の周囲や玄関までの動線を確保するため、追加工事が必要になる場合がある。
- 階段の設置(コンクリート・タイル仕上げ)
- スロープの施工(車椅子やベビーカー対応のため)
- 駐車場の造成(傾斜を考慮した施工が必要)
7.運搬費・重機費
高低差があると、工事に使う重機の搬入や土砂の運搬が難しくなり、追加費用が掛かることがある。
- 土砂の搬出・搬入費
- クレーンや特殊重機の使用費
③建築制限があることも!条例に注意
例えば熊本市では、高さ2m以上の崖(地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く)以外のものをいう。)がある土地に家を建てる場合、崖の高さの1.5倍以上の水平距離を保たなければならないという条例があります。
例えば、
- 3mの崖がある場合→4.5m以上の距離を取らなければならない
- 5mの崖がある場合→7.5m以上の距離を取らなければならない

このように、土地の一部が「建築制限を受ける」建築不可の可能性があるため、事前に確認が必要です。

④将来的に売却しづらい
- 高低差のある土地は「扱いづらい」と敬遠されやすい
- 売る時になかなか買い手がつかず、値下げを余儀なくされることも
- 再販時にも造成工事が必要なケースがあり、余計なコストが発生する可能性がある
一度購入してしまうと、売りにくい土地になる可能性が高いため、慎重な判断が必要です。
◆ 高低差のある土地は「アリ」なのか?判断ポイント
高低差のある土地の購入を検討する際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 総額費用をシュミレーションする(土地価格+造成工事+擁壁工事など)
- 条例や建築制限を確認する(崖条例・土留め工事の要否)
- 将来の売却を考慮する(売れにくくないか?)
「安いから」といって飛びつくと、結果的に大きなコスト負担が発生する可能性があります。
慎重に検討し、「本当に住みやすい土地なのか?」を見極めることが大切です!
◆ まとめ | 高低差のある土地は慎重に選びましょう
高低差のある土地のメリット
- 眺望や採光が良い
- 坪単価が安く、価格が魅力的
- 水害のリスクが低い
高低差のある土地のデメリット
- 造成工事・擁壁工事が必要で、コストが掛かる
- 建物制限がある可能性がある
- 売却しにくい
💡結論:総額費用をしっかり確認し、慎重に判断を
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