住宅建設では土地の「形の良さ」にこだわる必要はない

みなさん、こんにちは!
玄housing広報担当の玄馬(げんば)です。

いつも「玄馬くん家づくり豆知識」をご覧いただきありがとうございます。

マイホーム購入は、ほとんどの人にとって一生に一度の大きな買い物」でしょう。

「マイホームが欲しい」。
そう望む人にとって、最も大きな壁となるのが「お金」。

家は人生で最大の買い物、とよく言われるように、住宅建設には多額の資金が必要になります。

  • 家を建てるにはどのくらいのお金が必要なのか?
  • そしてそのお金はどのように用意すればいいのか?

夢のマイホームを建てるうえで、住宅ローンや資金計画などなど、避けては通れないお金にまつわることがたくさんありますが、数回に分けてマイホームを建てるために欠かせないお金にまつわるさまざまな側面について、考えてみます。

住まいを建てるうえで必ず必要となるのが「土地」
今回は土地の形の良さに、必ずこだわる必要はない」ことについて、例を交えて解説いたします。

第1章 不動産会社と貴方の考える「いい土地」は一致しない

土地を購入するとき、「その土地が高いか安いか?お買い得なのかそうでないのか?」
判断基準をどこにおけばいいのでしょうか。

不動産会社の考える「いい土地」と、家を建てたいあなたにとっての「いい土地」は、必ずしも一致しないものです。

例えば、下の図のような二つの土地が売りに出ていたとします。

Aの土地は、東南の角地にあって日当たり良好。2方向の道路に面していて、形もきれいな四角です。
30坪で値段は1,300万円だとしましょう。

一方、Bの土地は北側道路で、区画の中に入り込んでいます。
こういう形の土地を「旗竿地」と呼びます。

この土地が、32坪で1,000万円だったとします。
Aに比べ、面積は広めで値段は安い。

「どちらの土地がおすすめですか?」
と、不動産会社に聞けば、口をそろえて「A」と答えるでしょう。

第2章 一見、条件の悪そうな土地でも快適な住宅は建てられる

では、家を建てるあなたにとってはどうでしょうか

必ずしも「Aが良くてBがダメ」だとは限りません。

例えば、Aを買ったら予算オーバーになってしまい、建物にかける予算を削らざるを得ない。


一方、Bを住宅会社に見てもらったら、

  • 土地に見合ったよいプランを作ってくれて、建物を北側に寄せて日当たりも確保
  • 南側にはプライバシーが守れる庭も作れそう
  • 建物は高断熱・高気密の快適な家が建てられる

そんな場合には、迷わず「B」の土地を選ぶべきです。

2方向が道路に面するAの土地は、もしかしたら目隠しのために高い塀や大きな植木が必要で、自動車の騒音対策に遮音ガラスも入れなければならないかもしれません。
例えば、店舗を建てる場合であればBよりもAの土地が優れているでしょう。

しかし、あなたが買うのは土地だけではなく「住まい」なのです。
「その土地に住宅が建ったときにどうなるか?」を考えないといけません。


きちんと土地を見て注文住宅を作っている会社であれば、 旗竿地や三角形の土地などでも有効にプランニングしてくれるはずです。


例えば坂の途中にある土地(傾斜地)も一般には条件の悪い土地と見なされますが、

「この傾斜を使って景観を生かしましょう。それに合わせて二階はこういう構造に」

というようなアイデアを提供することで、「条件の悪い土地だから安かったけど、建ててくれた建物がいいからすごく住みやすい」とお客さまに喜ばれる場合もあります。

第3章 不動産としての価値が低くても、悪い土地とは限らない

狭小地や変形地や傾斜地など、一般の不動産価値的にいうと悪い条件の土地はたくさん存在しますが、プランニング次第で快適な住宅になり得るのです。

だからこそ、「土地は土地、建物は建物」と分けて考えるのではなく、
「まず住宅会社と話をして予算を決めてから土地を一緒に探すべき」です。

旗竿地
傾斜地
狭小地
変形地


不動産会社で、

不動産会社

「このエリアで予算が900万円だと、変な土地しかありませんよ」


と言われても、住宅会社の目で一つずつ見ていくと、

住宅会社

「ここ、いいかもしれませんね」

というケースが出てきます。

ただし、ハウスメーカーや規格型のビルダーのように決まったプランで住宅をつくる会社は、土地の形状によってはプランがはまらないこともあり、「この土地にはウチの家は建てられません」ということもありえるので、そういう会社と一緒に土地探しをするのは、あまりおすすめできません。

家づくりを考えるとき、土地の価値は、不動産としての評価がすべてではありません。
Aの土地がBの土地より価格が高いことは公示地価にも表れるでしょうが、その価値と住まいを建てる場合において必要十分で満足できるかどうかの価値は、別のものです。

「不動産としての評価は、私たちの主張している住宅の資産価値と同じものではない」のです。

家づくりは、「土地と建物と予算を一体で考えて行う大仕事」です。

住む人にとっていい土地とは、不動産評価が高い土地ではなく、予算の範囲内で最大限に快適な家を建てられる土地にほかなりません。

※出典 『トクする家づくり損する家づくり』柿内和徳 川瀬太志[著]ダイヤモンド社 P172


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